Red Hat Enterprise Linux AS Update 3 リリースノート


はじめに

次のトピックが本リリースノートに含まれます。

  • Red Hat Enterprise Linux インストールプログラム (Anaconda) への変更点

  • 全般事項

  • カーネル関連の事項

  • ドライバ及びハードウェアサポートへの変更点

  • パッケージへの変更点

これらのリリースノートには間に合わなかった Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 に関する最新情報は、以下の URL にある Red Hat Knowledgebase を参照してください。

https://www.redhat.com/apps/support/knowledgebase/

インストール関連の事項

このセクションには、Red Hat Enterprise Linux インストールと Anaconda インストールプログラムに特有な情報が含まれています。

注記

既にインストールしてある Red Hat Enterprise Linux 4 システムを Update 3 にアップグレードするためには、Red Hat Network を使用して、変更されているパッケージを更新する必要があります。

Anaconda は Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 の新規インストール、または Red Hat Enterprise Linux 3 の最新の更新バージョンから Red Hat Enterprise Linux 4 へのアップグレードを行うのに使用することができます。

  • Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 CD-ROM の内容をコピーする場合は(例、ネットワークベースのインストールのため)、オペレーティングシステムの CD-ROM だけをコピーするよう注意してください。エクストラ CD-ROM や一連の製品 CD-ROM はコピーしないでください。Anaconda が正しく動作するために必要となるファイルを上書きしてしまいます。

    これら CD-ROM は Red Hat Enterprise Linux のインストールが終了してからインストールします。

  • Sony PCGA-CD51の外付けPCMCIA CD-ROMドライブが接続されていると、Red Hat Enterprise Linux 4インストールプログラムは、エラー"install exited abnormally -- received signal 11"を示してインストールプログラムを早めに終了してしまいます。

    この問題に関しては2種類の回避策があります:

    1. ドライブをインストールのソースとして使用している場合、インストールのbootプロンプトで以下のオプションを追加して下さい:

      
      pci=off ide1=0x180,0x386
      
      
    2. ドライブをインストールのソースとして使用していない場合、インストールする前にそれを切断するか 又はインストールのbootプロンプトで以下のオプションを追加します:

      
      nopcmcia
      
      
  • Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 のインストールを行なうと IBM® BladeCenter® HS20-8832 のシステムで USB 周辺機器に関する問題が発生することが判明しています。

    この問題を回避するには、次の 2 動作のうちいずれかを行なってください。

    • AMD64 及び Intel® EM64T プラットフォーム用の Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 をインストールする

    • x86 アーキテクチャ用の Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 をインストールしている場合、まず USB IRQ をライン #7 から別の IRQ ラインに移動してください。これによって行き場を失った割り込みが USB デバイスや OS のインストールを中断しないようにします。システム内の IRQ ラインの変更に関する詳細はご使用のハードウェアベンダーにお問い合わせください。

全般事項

このセクションでは、本リリースノートの他のセクションに特定しない全般事項について説明します。

  • InfiniBand Architecture (IBA)は業界基準であり、プロセッサノードとI/O ノードに接続して、新しい高速のシステムエリアネットワークを構成するように設計されているスイッチ付きのファブリックサブシステム(switched fabric subsystem)を定義するものです。この新しい相互接続手法はローカルトランザクションベースの I/O モデルアクロスバス(local transaction-based I/O model across buses)からリモートメッセージ転送モデルアクロスチャンネル(remote message-passing model across channels)への移行を示すものです。

    Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 には、アップストリームOpenIB.org InfiniBandネットワークとクラスタリングソフトウェア実装の技術プレビューリリースが含まれています。

    この技術プレビューリリースはプロダクション環境の使用にはサポートがないことに注意して下さい。またOpenIB InfiniBandインターフェイスとAPIは技術プレビュー期間中に変更の可能性があります。全てのInfiniBandアッパーレイヤープロトコルが現在のアップストリームOpenIBプロジェクト内で実装されているわけではありません。OpenIBグループでより多くのアッパーレイヤープロトコルが実装されるようになる時点で、OpenIB InfiniBand ネットワーク/クラスタリングスタックの完全サポート付きリリースが計画されています。

    このプレビュー内で新規の又は更新されたパッケージを通じて実装されたInfiniBand技術は以下のようなものがあります:

    • kernel — Mellanox ベースのホストコントローラ用の低レベルドライバサポートが含まれています。コアInfiniBandモジュールも含まれており、低レベルハードウェアドライバとアッパーレイヤーInfiniBand プロトコルドライバとの間のインターフェイスを提供すると共に、InfiniBand ハードウェアへのユーザースペースアクセスも提供します。更に、Sockets Direct Protocol (SDP)アッパーレイヤーカーネルドライバ、IP over InfiniBand (IPoIB) TCP/IP ネットワーキングプロトコルドライバ、及び、SCSI Remote Direct Memory Access (RDMA)プロトコルドライバも含まれています。

    • udev - 新しいInfiniBandデバイスファイルの場所が判定できるように小規模の変更がなされています

    • initscripts — 起動時にIPoIBネットワーキングを有効にできるように新しいifup-ib ネットワークスクリプトが追加されています

    • module-init-tools — 新しいSDPソケットプロトコルとIPoIBインターフェイスをサポートできるように小規模の変更がなされています。

    • libibverbs — InfiniBandハードウェアの RDMA verbs 機能に直接ユーザースペースアクセスを提供するライブラリです。verbs インターフェイスへのプログラムを欲しい開発者はlibibverbs API へプログラム作成すると、新しいハードウェアサポートが追加された時点で、それらのアプリケーションは修整を必要としません。

    • libmthca —低レベルハードウェアドライバライブラリです。libibverbsにプラグインし、実際にlibibverbsの代理として、ハードウェアと通信をします。将来のハードウェア用のサポートは追加のライブラリとして実装されます。

    • libsdp —ライブラリによりサポートされているLD_PRELOADのことで、アプリケーションをリコンパイルする必要なく代わりにユーザーが既存のTCP/IPネットワークアプリケーションに SDP を使用するようにできます。

    • opensm — Open Subnet Managerの省略名。いずれかのInfiniBand ネットワークのマシンが少なくとも一台は低レベルハードウェアリンクルーティングの設定をする為にサブセットマネージャを実行している必要があります。これは通常、システムデーモンとして実行中になっており、リンクステータスの変更時にサブセット構成の再設定を処理します。

    • udapl — ユーザーダイレクトアクセスプログラミングライブラリ(User Direct Access Programming Library)はハイレベルのユーザースペース RDMAプログラミング環境です。uDAPL ライブラリにより、アプリケーションは RDMA仕様のハードウェアへのプログラム法を考慮することなく、RDMA プロトコルを利用することができます。uDAPL 仕様は InfiniBand 特定ではなく、将来は RDMA 機能付きの10ギガバイトイーサネットコントローラなど、InfiniBand 以外の RDMA ハードウェアをサポートするでしょう。

      udaplライブラリを使用するには、libdat.soファイルがパスの中にあることを確認する必要があります。これは、/etc/ld.so.confファイル内に次のような行を追加することで達成できます:

      
      /usr/lib64/dat
      
      

      さらには、デフォルトでシステムパラメータは最小限のメモリのみが、uDAPL 等のユーザーモードアプリケーションでロックされるように認可する設定になっています。この限界を増加するには、/etc/security/limits.conf内で、パラメータを変更して、memlock用に許可されるメモリの量を増加します。

      例えば、1ギガバイトのメモリを持つシステム上で、システム管理者はmemlockを通じて1ギガバイトをロックするようにできます。これを許可するには、管理者は/etc/security/limits.confファイル内に以下を追加することになります:

      
      *                hard    memlock          1000000
      *                soft    memlock          1000000
      
      

    InfiniBand技術に関する詳細情報には 次のURLのRed Hat Knowledgebaseを参照してください:

    https://www.redhat.com/apps/support/knowledgebase/.

  • redhat-releaseパッケージの中の /etc/issue/etc/issue.netの動作に変化が発生しており、これらのファイルのユーザーカスタムバージョンは、redhat-releaseが更新された時に新しいファイル名には移動されません (それぞれ、/etc/issue.rpmsave/etc/issue.net.rpmsaveです)。

    以前のredhat-release RPM に存在するトリガ(triggers)の為に、動作の変化は、パッケージが始めて更新される時には反映されません。何が起こるかというと、更新されたredhat-releaseパッケージからの新しい/etc/issue/etc/issue.netファイルはディスク上に保存され、以前にカスタム化してある/etc/issue/etc/issue.netファイルはそれぞれ/etc/issue.rpmsave/etc/issue.net.rpmsaveに移動されます。ユーザーはこれらのファイルに対して一度カスタム化を再実行する必要があります。それらのファイルのカスタム化を再実行した後に、その後のアップグレードは、ユーザーの介入無しに期待どおりに更新されます。

  • Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3は、vmcp.koと呼ばれる新しいLinuxカーネルモジュールとvmcpと呼ばれる新しいツールを使用してz/VM hypervisor コマンド (CP commands)へのアクセスをする新機能をサポートします。この新しい機能により、 Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 イメージを実行している z/VM ゲストから、 z/VM の下で実行している Linuxのゲストを管理できるようになります。

  • DebugInfo パッケージは、単独のパッケージライブラリ用にシンボルバイナリのフルデバグを提供しますので、システム分析ツールとプロファイラーは完全にデバグでき、アプリケーションを追跡できます。DebugInfoパッケージはこれらのバイナリを/usr/lib/debuginfoディレクトリにインストールします。

    -debuginfo RPMがインストールされていると、ユーザーは以下の深層分析ツールを活用できるようになります。

    • gdbでのプログラムデバグ

    • クラッシュに対するカーネルコアダンプデバグ

    • systemtap と oprofileを使用したパフォーマンス分析とプロファイリング

    Red Hat Enterprise Linux 4用の DebugInfoパッケージは以下の URL の Red Hat FTPサイトから入手することができます:

    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/updates/enterprise/4AS/en/os/Debuginfo
    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/updates/enterprise/4Desktop/en/os/Debuginfo
    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/updates/enterprise/4ES/en/os/Debuginfo
    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/updates/enterprise/4WS/en/os/Debuginfo
    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/enterprise/4/en/os/i386/Debuginfo
    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/enterprise/4/en/os/ia64/Debuginfo
    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/enterprise/4/en/os/ppc/Debuginfo
    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/enterprise/4/en/os/s390/Debuginfo
    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/enterprise/4/en/os/s390x/Debuginfo
    ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/enterprise/4/en/os/x86_64/Debuginfo
    
  • Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 には、新しい実行分析フレームワークである Frysk の技術プレビューリリースが含まれています。ユーザーは次の Frysk プロジェクトウェブサイトで詳細を閲覧し技術的なフィードバックを提供して頂くようにお願いします:

    http://sources.redhat.com/frysk/

    この Frysk の技術プレビューリリースはプロダクション環境の使用にはサポートがないことに注意して下さい。また Frysk インターフェイスと API は、技術プレビュー期間に変更される可能性がありますので注意してください。完全なサポート付きの Frysk リリースは Red Hat Enterprise Linuxの将来のリリース用に計画中です。

カーネル関連の事項

このセクションは Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 カーネルに関連した事項について説明しています。

  • Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3には、 64 ビットプラットフォーム用のlargesmpカーネルパッケージが含まれています。カーネルアプリケーションバイナリインターフェイス(kabi)を現在のサポートされたカーネル内に保存する為に、Red Hat はkernel-largesmp-2.6.9-xxx.EL.yyy.rpmと呼ばれる新しいカーネルパッケージを導入しています。

    xxxはカーネルのバージョンを示し、yyyはプラットフォーム名を示します。これは以下の三つのプラットフォーム:x86_64, ia64, ppc64 のいずれかとなります。

    AMD64 及び Intel® EM64Tプラットフォーム 上でのlargesmpカーネルはCPUのサポートを8から64まで増加します。

    largesmpカーネルの技術プレビューも Itanium2 と POWER の両方のアーキテクチャ用に入手できます。理論的な CPUの限界を POWER で128まで、そしてItanium2 で 512まで上げています。これは、技術プレビューですから、POWER とItanium2 上の largesmpカーネルはプロダクション環境ではサポートがありません。9 から64までの CPU はすでに Red Hat Enterprise Linux 4 Update 2 内でkernel-smp-2.6.9-xxx.ELkernel-hugemem-2.6.9-xxx.ELパッケージによってサポートされていることに注意して下さい。

    Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3内のパートナー協力とlargesmpカーネルのテストの成功により、AMD64/EM64T, Itanium2, 及び POWER用のサポート可能で、保証可能なCPUの限界が将来のリリースで向上することになります。

    largesmp カーネルサポートについての詳細は、以下の URL で Red Hat KnowledgeBase を参照してください:

    https://www.redhat.com/apps/support/knowledgebase/

  • Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3で導入された largesmpカーネルは最大128GBまでのメモリをサポートします。

  • ファイルとディレクトリはシステム上のファイルの所有者、そのファイルに関連したグループ、及び全ての他のユーザー用に権限のセットを持っています。しかし、これらの権限セットには制限があります。例えば、異る権限を異るユーザーに設定できません。この必要性に対応するため、Access Control Lists (ACLs)が実装されました。

    Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3カーネルは ext3 ファイルシステムと NFSファイルシステム用にACLサポートを提供します。ACLは今回、Sambaを経由してアクセスできる ext3ファイルシステム上で認識されます。

    カーネルでのサポートと共に、aclパッケージは ACLの実装に必要になります。aclパッケージには、ACL情報を追加、修整、削除、そして取り込むのに使用されるユーティリティが含まれています。

    ユーティリティのサポートと使用法に関する詳細情報についてはRed Hat Enterprise Linuxシステム管理者のガイド System Administrator's Guide)を参照して下さい。

  • Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3はx86 と x86_64システム用にエラーの検出と校正(EDAC)機能を追加しています。カーネルはサポートのあるチップセットでは、ECCシングルビットエラーを検出して報告することができ、マルチビットエラーに関しては報告とパニックをします。

    カーネルの動作は/proc/sys/kernel/panic_on_unrecovered_nmiで制御されます;そして、そのデフォルト値は "1"にセットしてあります。取り返しのできない ECC エラーや、未知のマスクできない割り込み(non-maskable interrupt (NMI))が検出された場合、/proc/sys/kernel/panic_on_unrecovered_nmiの値は"1"にセットされてから、カーネルがパニックして、システムを停止します。これがデフォルトの動作です。

    ハードウェア自動検出プログラムは、インストール又はアップグレード中に自動的に検出して適切な EDAC カーネルモジュールをロードします。モジュールのロードが達成された時点で、幾つかのカーネルメッセージがメッセージログファイル内に保存されます。この自動検出を無効にするには、その方法を Red Hat Knowledgebase で参照して下さい。

    EDACカーネルモジュールがロードされている間、カーネルは/proc/sys/mcを通じてデバグとロギングをランタイムに実行する為の制御インターフェイスと/proc/mcを通じたディレクトリ援助を提供します。

    EDAC カーネルモジュールがロードされると、カーネルはランタイムに/proc/sys/mcを通したデバグとロギングの実行と、/proc/mcディレクトリを通したディレクトリアシスタンスの実行をできる制御インターフェイスを提供します。

    Red Hat Enterprise Linux 4内の EDAC コードとその基礎となるコードは/procを通じて統計を提供します。このコードのベースカーネルへの統合と認可の一部として、このインターフェイスはsysfsを使用するように変化します。お客さまは、将来の Red HatEnterprise プロダクトラインが、sysfsインターフェイスを取り入れることを想定していてください。

    EDAC サポートについての詳細情報は、以下の URL で Red Hat Knowledgebase を参照してください:

    https://www.redhat.com/apps/support/knowledgebase/.

  • カーネルキー管理サポート(Kernel Key Management support)は Red Hat Enterprise Linux 4Update 2 に含まれている特長です。しかし開発努力は継続するため、カーネルキー管理サポートは技術プレビューであり、キー管理インターフェイスは、今後の Red Hat Enterprise Linux 4更新で更なる展開を持つ可能性が充分にあります。カーネルキー管理は、技術プレビューであることから、プロダクション環境ではサポートがありません。

ドライバ及びハードウェアサポートへの変更点

この更新には、数多くのドライバ用のバグ修正が含まれています。特に重要なドライバの更新を以下に示します。

  • 以下のデバイスドライバが Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 で追加、又は更新されています:

    • sky2 ドライバ内に追加されたMarvell Yukon 2 chipset用のサポート

    • sky2ドライバ内に追加されたSysKonnect's SK-9E21, SK-9S21 chipset用のサポート

    • LSI Logic MegaRAID Serial Attached SCSI (megaraid_sas)ドライバ用に追加されたサポート

    • BCM5706 と BCM5708用のサポートを持つようにBroadcom NetXtreme II (bnx2)ネットワークドライバを統合

    • serverworksドライバ内に追加されたHT1000 chipset用のサポート

    • serverworksドライバ内に追加されたHT2000 chipset用のサポート

    • Emulex LightPulse Fibre Channel (lpfc)ドライバの更新

    • Intel(R) PRO/1000 (e1000)ネットワークドライバの更新

    • HP Smart Array (cciss)ドライバの更新

    • LSI Logic MPT Fusionドライバの更新

    • QLogic Fibre Channel(qla2xxx)ドライバの更新

    • Adaptec RAID (aacraid)ドライバの更新

    • Broadcom Tigon 3 (tg3) ネットワークドライバの更新

    • 各種のSATAドライバ更新

  • SysKonnect Yukon II (sky2)ドライバは今回、Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3内で利用できます。これは、Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3内のsk98linドライバでサポートされていないハードウェアのみをサポートします。sky2ドライバの現在のバージョンは自動ネゴシエーションが無効になっていると、パフォーマンスが悪いことが判明していることに注意して下さい。

  • sysfsを通したファブリック再発見(fabric rediscovery)用のサポートが今回、 Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3で利用できます。Qlogic(qla2xxx)とEmulex (lpfc)ファイバーチャンネル HBA ドライバ用には、以下のコマンドを実行して、新規の格納の為に再発見と再スキャンを実行します :

    
    echo "1" > /sys/class/fc_host/hostXYZ/issue_lip
    echo "- - -" > /sys/class/scsi_host/hostXYZ/scan
    
    

    ここで、XYZは、ご使用のHBAのscsiホスト番号です。 

  • Red Hat Enterprise Linux 4 リリースノートは Emulex LightPulse ファイバーチャンネルドライバ(lpfc)に関連した問題を数回言及しています。これらの問題の全て(ケーブルプル、rmmod、及びinsmod関連)は、Red Hat Enterprise Linux 4 Update 1 で修整されています。lpfcドライバはRed Hat Enterprise Linux 4が配布された直後にアップストリームの Linux 2.6カーネルに含まれました。Red Hat では、lpfcドライバを完全サポートし、Red Hat Enterprise Linux 4がサポートされる限り、そのドライバのサポートを維持するように尽力しています。

  • ファイバーチャンネル設定の幾つかでは、オペレーティングシステムが自動的にシステムの実行中に新しいターゲットデバイスの追加を検出します。他の設定では、新しいターゲットデバイスを検出するのに以下のようなコマンドを発行する必要があります:

    
    echo 1 
    > /sys/class/fc_host/hostn/issue_lip
    
    

    ここで、hostn は該当するアダプタに相当します。

    特定のターゲットに論理ユニットが作成された場合、検出と設定の為に以下のようなコマンドが必要になります:

    
    echo "b t l" 
    > /sys/class/scsi_host/hostn/scan
    
    

    ここで、bとはバスであり、tとはターゲット lhostn上でスキャンするLUNです。

    ワイルドカードは以下の例のようにして、使用することもできます:

    
    echo "- - -" 
    > /sys/class/scsi_host/host2/scan
    
    

    システムの実行中にデバイスが動的に追加された場合に割り当てられたデバイス名(/dev/sdbなど)は、次回のシステムブート時には割り当てられるデバイス名と異なることがあります。

  • ターゲットがLUN 0用にペリフェラルクオリファイヤー(peripheral qualifier)3 を返す状態ではRed Hat Enterprise Linux 4 Update 3に、以前の LUN 0スキャンへのサポートが含まれています。 SCSI 3とそれ以上のデバイスには scsiレイヤーがREPORT_LUNSコマンドを試みて、SCSI 2デバイスには、scsiレイヤーは LUN 1から7までのシーケンシャルスキャンを実行します。

    スキャン動作を修正するには、ユーザーは、/proc/scsi/device_infoにあるprocfsを通じて、又は、scsi_modモジュールパラメータを通じて、scsi evice_info へエントリを追加することができます。このエントリの形式はdev_flags=vendor:model:flags[,v:m:f]となり、ここで、flagsとは、以下の整数値となり得ます:

    
    0x001   /* Only scan LUN 0 */
    0x002   /* Known to have LUNs, force scanning, deprecated: Use max_luns=N */
    0x004   /* Flag for broken handshaking */
    0x008   /* unlock by special command */
    0x010   /* Do not use LUNs in parallel */
    0x020   /* Buggy Tagged Command Queuing */
    0x040   /* Non consecutive LUN numbering */
    0x080   /* Avoid LUNS 
    >= 5 */
    0x100   /* Treat as (removable) CD-ROM */
    0x200   /* LUNs past 7 on a SCSI-2 device */
    0x400   /* override additional length field */
    0x800   /* ... for broken inquiry responses */
    0x1000  /* do not do automatic start on add */
    0x2000  /* do not send ms page 0x08 */
    0x4000  /* do not send ms page 0x3f */
    0x8000  /* use 10 byte ms before 6 byte ms */
    0x10000 /*  192 byte ms page 0x3f request */
    0x20000 /* try REPORT_LUNS even for SCSI-2 devs (if HBA supports more than 8 LUNs) */
    0x40000 /* don't try REPORT_LUNS scan (SCSI-3 devs) */
    0x80000 /* don't use PREVENT-ALLOW commands */
    0x100000 /* device is actually for RAID config */
    0x200000 /* select without ATN */
    0x400000 /* retry HARDWARE_ERROR */
    
    

    例えば、モデル scsi_debugを使用してベンダーLinuxからSCSI 2 デバイス用に以前のLUN 7をスキャンするには、次のコマンドを実行します:

    
    echo Linux:scsi_debug:0x200 
    > /proc/scsi/device_info
    
    

    又は

    
    modprobe scsi_mod dev_flags=Linux:scsi_debug:200
    
    

    モジュールパラメータも/etc/modprobe.confに追加できますので、モジュールパラメータをシステムの起動時に使用することができます:

    
    options scsi_mod dev_flags=Linux:scsi_debug:200
    
    

パッケージへの変更点

このセクションでは、Update 3 の一部として Red Hat Enterprise Linux 4 から更新または追加されている パッケージを一覧にしています。

注記

このパッケージ一覧には Red Hat Enterprise Linux 4 の全種類からのパッケージが含まれます。ここに記載されているパッケージがご利用のシステムに含まれていないこともあります。

以下のパッケージは Red Hat Enterprise Linux 4 Update 2 リリースから更新されています:

  • MAKEDEV-3.15-2 = > MAKEDEV-3.15.2-3

  • OpenIPMI-1.4.14-1.4E.7 = > OpenIPMI-1.4.14-1.4E.12

  • OpenIPMI-devel-1.4.14-1.4E.7 = > OpenIPMI-devel-1.4.14-1.4E.12

  • OpenIPMI-libs-1.4.14-1.4E.7 = > OpenIPMI-libs-1.4.14-1.4E.12

  • OpenIPMI-tools-1.4.14-1.4E.7 = > OpenIPMI-tools-1.4.14-1.4E.12

  • anaconda-10.1.1.25-1 = > anaconda-10.1.1.33-2

  • anaconda-runtime-10.1.1.25-1 = > anaconda-runtime-10.1.1.33-2

  • audit-1.0.3-6.EL4 = > audit-1.0.12-1.EL4

  • audit-libs-1.0.3-6.EL4 = > audit-libs-1.0.12-1.EL4

  • audit-libs-devel-1.0.3-6.EL4 = > audit-libs-devel-1.0.12-1.EL4

  • autofs-4.1.3-155 = > autofs-4.1.3-169

  • binutils-2.15.92.0.2-15 = > binutils-2.15.92.0.2-18

  • bootparamd-0.17-19.RHEL4 = > bootparamd-0.17-21.RHEL4

  • chkconfig-1.3.13.2-1 = > chkconfig-1.3.13.3-2

  • compat-openldap-2.1.30-3 = > compat-openldap-2.1.30-4

  • comps-4AS-0.20051001 = > comps-4AS-0.20060125

  • cpp-3.4.4-2 = > cpp-3.4.5-2

  • crash-4.0-2 = > crash-4.0-2.15

  • cups-1.1.22-0.rc1.9.8 = > cups-1.1.22-0.rc1.9.10

  • cups-devel-1.1.22-0.rc1.9.8 = > cups-devel-1.1.22-0.rc1.9.10

  • cups-libs-1.1.22-0.rc1.9.8 = > cups-libs-1.1.22-0.rc1.9.10

  • curl-7.12.1-5.rhel4 = > curl-7.12.1-8.rhel4

  • curl-devel-7.12.1-5.rhel4 = > curl-devel-7.12.1-8.rhel4

  • device-mapper-1.01.04-1.0.RHEL4 = > device-mapper-1.02.02-3.0.RHEL4

  • device-mapper-multipath-0.4.5-6.0.RHEL4 = > device-mapper-multipath-0.4.5-11.0.RHEL4

  • dhclient-3.0.1-12_EL = > dhclient-3.0.1-54.EL4

  • dhcp-3.0.1-12_EL = > dhcp-3.0.1-54.EL4

  • dhcp-devel-3.0.1-12_EL = > dhcp-devel-3.0.1-54.EL4

  • dhcpv6-0.10-8 = > dhcpv6-0.10-14_EL4

  • dhcpv6_client-0.10-8 = > dhcpv6_client-0.10-14_EL4

  • diskdumputils-1.1.9-4 = > diskdumputils-1.2.8-2

  • e2fsprogs-1.35-12.2.EL4 = > e2fsprogs-1.35-12.3.EL4

  • e2fsprogs-devel-1.35-12.2.EL4 = > e2fsprogs-devel-1.35-12.3.EL4

  • ethereal-0.10.12-1.EL4.1 = > ethereal-0.10.14-1.EL4.1

  • ethereal-gnome-0.10.12-1.EL4.1 = > ethereal-gnome-0.10.14-1.EL4.1

  • evolution-2.0.2-22 = > evolution-2.0.2-26

  • evolution-connector-2.0.2-8 = > evolution-connector-2.0.2-10

  • evolution-devel-2.0.2-22 = > evolution-devel-2.0.2-26

  • file-4.10-2 = > file-4.10-2.EL4.3

  • firefox-1.0.7-1.4.1 = > firefox-1.0.7-1.4.2

  • fonts-xorg-100dpi-6.8.1.1-1.EL.1 = > fonts-xorg-100dpi-6.8.2-1.EL

  • fonts-xorg-75dpi-6.8.1.1-1.EL.1 = > fonts-xorg-75dpi-6.8.2-1.EL

  • fonts-xorg-ISO8859-14-100dpi-6.8.1.1-1.EL.1 = > fonts-xorg-ISO8859-14-100dpi-6.8.2-1.EL

  • fonts-xorg-ISO8859-14-75dpi-6.8.1.1-1.EL.1 = > fonts-xorg-ISO8859-14-75dpi-6.8.2-1.EL

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  • thunderbird-1.0.6-1.4.1 = > thunderbird-1.0.7-1.4.1

  • udev-039-10.10.EL4 = > udev-039-10.12.EL4

  • unixODBC-2.2.9-1 = > unixODBC-2.2.11-1.RHEL4.1

  • unixODBC-devel-2.2.9-1 = > unixODBC-devel-2.2.11-1.RHEL4.1

  • unixODBC-kde-2.2.9-1 = > unixODBC-kde-2.2.11-1.RHEL4.1

  • up2date-4.4.50-4 = > up2date-4.4.63-4

  • up2date-gnome-4.4.50-4 = > up2date-gnome-4.4.63-4

  • util-linux-2.12a-16.EL4.11 = > util-linux-2.12a-16.EL4.16

  • wget-1.10.1-2.4E.1 = > wget-1.10.2-0.40E

  • xinitrc-4.0.14-1 = > xinitrc-4.0.14.2-1

  • xloadimage-4.1-34.RHEL4 = > xloadimage-4.1-36.RHEL4

  • xorg-x11-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-Mesa-libGL-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-Mesa-libGL-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-Mesa-libGLU-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-Mesa-libGLU-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-Xdmx-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-Xdmx-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-Xnest-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-Xnest-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-Xvfb-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-Xvfb-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-deprecated-libs-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-deprecated-libs-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-deprecated-libs-devel-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-deprecated-libs-devel-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-devel-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-devel-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-doc-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-doc-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-font-utils-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-font-utils-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-libs-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-libs-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-sdk-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-sdk-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-tools-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-tools-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-twm-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-twm-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-xauth-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-xauth-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-xdm-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-xdm-6.8.2-1.EL.13.25

  • xorg-x11-xfs-6.8.2-1.EL.13.20 = > xorg-x11-xfs-6.8.2-1.EL.13.25

  • xpdf-3.00-11.8 = > xpdf-3.00-11.10

  • xscreensaver-4.18-5.rhel4.9 = > xscreensaver-4.18-5.rhel4.10

  • ypbind-1.17.2-3 = > ypbind-1.17.2-8

  • ypserv-2.13-5 = > ypserv-2.13-9

以下のパッケージが Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 に追加されています:

  • frysk-0.0.1.2005.12.14.15.12-0.EL4.3

  • keyutils-libs-1.0-2

  • libibverbs-1.0.rc4-0.4265.1.EL4

  • libibverbs-devel-1.0.rc4-0.4265.1.EL4

  • libibverbs-utils-1.0.rc4-0.4265.1.EL4

  • libmthca-1.0.rc4-0.4265.1.EL4

  • libmthca-devel-1.0.rc4-0.4265.1.EL4

  • libsdp-0.90-0.4265.1.EL4

  • opensm-1.0-0.4265.1.EL4

  • opensm-devel-1.0-0.4265.1.EL4

  • opensm-libs-1.0-0.4265.1.EL4

  • rarpd-ss981107-18.40.2

  • dapl-1.2-0.4265.1.EL4

  • udapl-devel-1.2-0.4265.1.EL4

以下のパッケージが Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3 から削除されています:

  • 削除されたパッケージはありません。

( x86 )