システム設定の方法を考える前に、まず基本的なシステム情報を収集する方法を考えなければいけません。たとえば、未使用のメモリがどれだけ残っているか、ハードディスクドライブの使用可能なスペースの大きさはどの程度か、ハードディスクドライブのパーティションがどうなっているか、どんなプロセスが作動しているかといったことを知っておく必要があります。この章では、いくつかの簡単なコマンドやプログラムを使ってRed Hat Enterprise Linuxシステムからこのような情報を収集する方法を説明します。
ps axコマンドは、現在動いているシステム プロセスを、ほかのユーザーが所有するものも含めて一覧にして 表示します。プロセスの所有者も表示したいときは、 ps auxコマンドを使います。この一覧は静的です。 つまり、このコマンドを実行したときに作動しているものの状態を 表しているだけです。実行プロセスの一覧を継続的に更新したい 場合は、のちほど説明するtopコマンドを 使います。
ps出力は長くなる可能性があります。 画面外へスクロールするのを防ぐために、パイプを使用して lessで表示することができます。
ps aux | less |
psコマンドとgrep コマンドを組み合わせて使用すると、あるプロセスが動いているかどうかを調べることができます。例えば、Emacs が実行されているかを調べるには、次のコマンドを使用します。
ps ax | grep emacs |
topコマンドは、現在動作中のプロセスを 表示します。これには、メモリやCPU使用率などの重要な情報も 含まれています。一覧はリアルタイムでインタラクティブです。 次に示すのは、topの出力表示例です。
19:11:04 up 7:25, 9 users, load average: 0.00, 0.05, 0.12 89 processes: 88 sleeping, 1 running, 0 zombie, 0 stopped CPU states: cpu user nice system irq softirq iowait idle total 6.6% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 192.8% cpu00 6.7% 0.0% 0.1% 0.1% 0.0% 0.0% 92.8% cpu01 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 100.0% Mem: 1028556k av, 241972k used, 786584k free, 0k shrd, 37712k buff 162316k active, 18076k inactive Swap: 1020116k av, 0k used, 1020116k free 99340k cached PID USER PRI NI SIZE RSS SHARE STAT %CPU %MEM TIME CPU COMMAND 1899 root 15 0 17728 12M 4172 S 6.5 1.2 111:20 0 X 6380 root 15 0 1144 1144 884 R 0.3 0.1 0:00 0 top 1 root 15 0 488 488 432 S 0.0 0.0 0:05 1 init 2 root RT 0 0 0 0 SW 0.0 0.0 0:00 0 migration/0 3 root RT 0 0 0 0 SW 0.0 0.0 0:00 1 migration/1 4 root 15 0 0 0 0 SW 0.0 0.0 0:00 0 keventd 5 root 34 19 0 0 0 SWN 0.0 0.0 0:00 0 ksoftirqd/0 6 root 34 19 0 0 0 SWN 0.0 0.0 0:00 1 ksoftirqd/1 9 root 25 0 0 0 0 SW 0.0 0.0 0:00 0 bdflush 7 root 15 0 0 0 0 SW 0.0 0.0 0:00 1 kswapd 8 root 15 0 0 0 0 SW 0.0 0.0 0:00 1 kscand 10 root 15 0 0 0 0 SW 0.0 0.0 0:01 1 kupdated 11 root 25 0 0 0 0 SW 0.0 0.0 0:00 0 mdrecoveryd |
topコマンドを終了するには、
以下は、topコマンドの動作中に使える、 便利なコマンドです。
コマンド | 説明 |
---|---|
すぐに表示を更新します | |
ヘルプ画面を表示します | |
プロセスをkillします。プロセスIDとそれに送る 信号を要求されます。 | |
表示されるプロセスの数を変更します。 数を入力するように要求されます。 | |
ユーザーの順に並べます。 | |
メモリ使用量の順に並べます。 | |
CPU使用率の順に並べます。 |
表 42-1. インタラクティブなtopのコマンド
![]() | ヒント |
---|---|
Mozillaや Nautilusなどのアプリケーションは、 スレッド認知します。— 複数のスレッドが 複数のユーザーまたは複数の要求を取り扱うために作成され、 各スレッドにはプロセスIDが与えられます。デフォルトでは、 psとtopはメイン(初期) のスレッドのみ表示します。すべてのスレッドを表示するには、 ps -mコマンドを使用するか、または topの中で |
topをグラフィカルインターフェイス で使いたい場合は、GNOME システムモニタ を利用できます。デスクトップで起動するには、 (パネル上の)メインメニューボタン => システムツール => システムモニタと進むか、または、X Window System 内のシェルプロンプトでgnome-system-monitor とタイプします。そして、プロセス一覧 タブを選択します。
GNOMEシステムモニタを使用すると、 起動中のプロセス一覧でプロセスの検索ができ、また、すべての プロセス、自分のプロセス、またはアクティブなプロセスを表示 できます。
プロセスについての詳細を見るには、そのプロセスを選択 して、詳細情報ボタンをクリックします。 プロセスに関する詳細がウィンドウの底辺に表示されます。
プロセスを停止するには、それを選択してプロセスの 終了をクリックします。この機能は、ユーザー入力に 応答しなくなったプロセスに役に立ちます。
特定の欄で情報別に分類するには、その欄の名前をクリック します。情報が分類された欄が濃い灰色で提示されます。
デフォルトでは、GNOMEシステムモニタ はスレッドを表示しません。この設定を変更する には、編集 => Preferences と選択して、プロセス一覧 タブをクリックします。そしてスレッドを表示する を選択します。また、Preferencesでは更新時間、 デフォルトで各プロセスについて表示する情報のタイプ、 システムモニタグラフの色などの設定もできます。