次に、インストールを起動するのに必要となるファイルをtftp サーバーにコピーします。これにより、クライアントがこれらのファイルを 要求したときに見つけることができるようになります。tftp サーバーは通常、インストールツリーをエクスポートしているネットワークサーバーと 同じです。
これらのファイルをコピーするには、NFS、FTP、HTTPのいずれかのサーバーで ネットワークブートツールを実行します。 別のPXEサーバーは必要ありません。
この説明のコマンドラインバージョンについては、 項14.2.1を参照してください。
ネットワークブートツールのグラフィカルバージョンを使用するには、 X Windowシステムが実行中で、root権限を持ち、redhat-config-netboot RPMパッケージがインストールされていなければなりません。 デスクトップからネットワークブートツールを起動するには、 メインメニューボタン (パネル上) => システム設定 => サーバ設定 => ネットワークブートサービスの 順で進みます。あるいは、シェルプロンプトでredhat-config-netboot コマンドを入力します(例、XTerm、 GNOME ターミナル)。
はじめてネットワークブートツールを起動したら、 はじめてのDruidからネットワークインストール を選択します。あるいは、プルダウンメニューから設定 => ネットワークインストールを選択し、 追加をクリックします。 図14-1にあるダイアログが表示されます。
次の情報を用意します。
オペレーティングシステム識別子 — Red Hat Enterprise Linuxのバージョンと種類を識別するために1文字で固有の名前を示します。 /tftpboot/linux-install/ディレクトリ内で ディレクトリ名として使用されています。
説明 — Red Hat Enterprise Linux のバージョンと種類の 簡単な説明を用意します。
インストール用のプロトコールを選択 — 以前に設定されていた種類により、ネットワークインストールのタイプとして NFS、FTP、HTTPのいずれかを選択します。FTPを選択し匿名FTPを使用しない場合、 匿名 (Anonymous) FTPのチェックを外して 有効なユーザー名とパスワードの組み合わせを入れます。
サーバー — NFS、FTP、HTTP、いずれかのサーバーの IPアドレスもしくはドメイン名を用意します。
場所 — ネットワークサーバーと共有している ディレクトリを用意します。FTPかHTTPを選択した場合、このディレクトリは FTPサーバーのデフォルトのディレクトリまたは、HTTPサーバーのドキュメントルート に関連していなければなりません。ネットワークインストールはすべて、 用意されたディレクトリがそのインストールツリーのRedHat/ ディレクトリを含んでいなければなりません。
OKをクリックしたら、インストールプログラムに 必要となるinitrd.imgファイルとvmlinuz ファイルが、用意したインストールツリーにあるimages/pxeboot/ からtftpサーバー(ネットワークブートツール を実行しているサーバー)上にある/tftpboot/linux-install/<os-identifier>/に 転送されます。
ネットワークサーバーがXを実行していない場合、redhat-config-netbootパッケージの一部であるpxeosコマンドライン ユーティリティを使って、項14.4で示すように tftpサーバーファイルを設定できます。
pxeos -a -i "<description>" -p <NFS|HTTP|FTP> -D 0 -s client.example.com \ -L <net-location> <os-identifer> |
次の一覧ではオプションを説明しています。
-a — OSインスタンスがPXE設定に追加されることを指定します。
-i "<description>" — "<description>"には OSインスタンスの説明を入れます。 これは図14-1にある 説明フィールドに対応するものです。
-p <NFS|HTTP|FTP> — インストールにどのNFS、FTPまたは HTTPのプロトコルを使用するかを指定します。 指定するのは1つだけです。これが図14-1 にあるインストールにプロトコルを選択 になります。
-D 0 — pxeosは ディスクレス環境を設定するのにも使用できるので、 ディスクレス設定ではないことを明らかにします。
-s client.example.com — -sオプションの後にNFS、FTP、HTTPいずれかのサーバーの名前を 入れます。これは図14-1にある サーバフィールドになります。
-L <net-location> — -Lオプションの後にそのサーバー上にあるインストールツリーの 場所を入れます。これは、図14-1にある 場所になります。
<os-identifer> — OS識別子を指定します。これは/tftpboot/linux-install/ ディレクトリ内でディレクトリ名として使用されます。 これは、図14-1にある オペレーティングシステム識別子にあたります。
FTPをインストールプロトコルとして選択し匿名ログインが使えない場合、 前のコマンドにある<os-identifer> の前に次のオプションを付けて、ログイン用のユーザー名とパスワードを指定します。
-A 0 -u <username> -p <password> |