21.3. サービス設定ツール

サービス設定ツールは Red Hat で開発されたグラフィカルアプリケーションで、 ブート時に(ランレベル3、4、5で)/etc/rc.d/init.d 内で起動するSysVサービスを設定したり、 有効にするxinetdサービスを設定します。 さらに、SysVサービスの起動、停止、再起動や、 xinetdの再起動も可能です。

デスクトップからサービス設定ツールをスタートするには、 パネル上のメインメニューボタン =>システム設定 =>サーバ設定 =>サービスと進むか、 あるいはシェルプロンプト(例えば、 XTermGNOME ターミナル)でredhat-config-services コマンドを実行します。

図 21-1. サービス設定ツール

サービス設定ツール は現在のランレベルや、現在編集中のランレベルを表示します。別のランレベルを編集するには、 プルダウンメニューからランレベルの編集を選択して、ランレベル3、4、5のうちどれかを選択します。ランレベルの説明については、項21.1を参照してください。

サービス設定ツール/etc/rc.d/init.dディレクトリからのサービスと、xinetdで制御されるサービスを一覧表示します。アプリケーションの左側にある一覧のサービスの名前をクリックすると、そのサービスの説明と状態が表示されます。サービスがxinetdサービスでない場合、状態ウィンドウでそのサービスが現在実行中かどうか表示されます。サービスがxinetdで制御されている場合は、状態ウィンドウはxinetdサービスというフレーズを表示します。

サービスをすぐに起動、停止、再起動するには、一覧からサービスを選択し、ツールバーにある動作ボタンをクリックします (またはプルダウンメニューの操作をクリックして動作を選択します)。 サービスがxinetdサービスの場合、 個別には開始、停止ができないため、動作ボタンは無効になっています。

サービス名の横にあるチェックボックスにチェックを入れたり、外したりすることで xinetdサービスを有効/無効にする場合、 プルダウンメニューのファイルから 変更を保存を選択して、 xinetdを再起動します。そうすると変更したxinetd サービスがすぐに有効/無効になります。 また、xinetdはこのセッティングを記憶するように設定されています。 一度に複数のxinetd サービスを有効/無効にすることが可能で、 終了した時点で変更を保存できます。

例えば、ユーザーが rsyncをランレベル3で有効にするためにチェックを入れて、変更を保存したと想定します。 rsyncサービスはすぐに有効になります。 次回にxinetdがスタートする時も rsyncはまだ有効のままです。

警告警告
 

xinetdサービスへの変更を保存すると、 xinetdは再起動して、変更がすぐに反映されます。 他のサービスへの変更を保存したときはランレベルが再設定されますが、 変更はすぐには反映されません。

現在選択しているランレベルでブート時にxinetd以外のサービスをスタートできるようにするには、 一覧内のサービスの名前の横のチェックボックスにチェックを入れます。 ランレベルを設定した後、プルダウンメニューのファイル =>変更を保存の順で選択して変更を適用します。 ランレベルの設定は変わりますが、ランレベルは再起動されません。 そのため、変更はすぐには反映されません。

例えば、ランレベル3の設定をしていると想定しましょう。 httpdサービスの値を「チェック付き」から「チェックなし」に変更して、 それから変更を保存を選択すると、 ランレベル3の設定はブート時にhttpdをスタートしないように変更されます。 しかし、ランレベル3は再初期化されていないので、 httpdはまだ作動中のままです。 ここで以下のオプションの1つを選択します。

  1. httpdサービスの停止 — 一覧からそのサービスを選択して 停止ボタンをクリックすることで停止します。 サービスが正しく停止されたことを伝えるメッセージが表示されます。

  2. ランレベルの再初期化 — シェルプロンプトに進んで、 コマンドtelinit 3(3はランレベルの数字)を入力し、 ランレベルを再初期化します。 このオプションは、複数のサービスの起動時に開始の値を変更して、 その変更内容をただちに反映させたい場合に推奨されます。

  3. 何もしない — httpdサービスを停止する必要はありません。 サービスの停止には、システムが再起動するまで待ちます。次回システムが起動するとき、 ランレベルはhttpdサービスが実行されずに初期化されます。

ランレベルにサービスを追加するには、プルダウンメニューのランレベルの編集 からランレベルを選択し、動作 => サービスの追加 を選択します。ランレベルからサービスを削除するには、プルダウンメニューの ランレベルの編集からランレベルを選択し、左側の一覧から削除するサービスを選択して、 動作 => サービスの削除を選択します。